イタリア人というと、渋くてかっこいい、いつでも楽しそう、一方で、女性にだらしなくて、時間にルーズ、ちゃんと働かない。日本に住んでいる私たちが勝手に思い描いているイタリア人はこんな姿ではないでしょうか?
一方で日本は、几帳面、時間に厳しい、しっかり仕事をする。こんなイメージでしょうか?
ちなみに、私がイタリアに行ったとき日本語が書いたTシャツを着ていたら「さ~むらい!」と言われました。
外国の人たちは、まだ日本に侍がいると思っているのかもしれません。(笑)
外国の文化や考え方というのは、実際にその土地に行って、触れ合ったり、交流してみたりしないと分からないことが多いですよね。もしかすると、旅行だけでは分からない、長い間滞在して初めて気づくこともあるかもしれません。
この本では、長年イタリアとのかかわりを持つ筆者の宮嶋さんが見つけた、イタリア人のイタリア人らしい生き方や考え方が、実体験をもとにして書かれています。
私たち日本人では到底考えつかないユニークなアイデアもたくさん載っていて、目からうろこの一冊でした。
こんな人におススメ!
- イタリア人はどんな考え方か知りたい人
- 今よりも人生を楽しく生きたい人
- 他の国の文化が知りたい人
それでは本書のポイントを見ていきましょう!
本書のポイントはずばり「イタリア式多様な考え方」です。
遅刻癖があって怒られてばかり、仕事をついついサボっておしゃべりをしていてよく叱られてしまう、効率良く仕事を進められず無能の烙印を押される。
こんな人たちをイタリアでは大歓迎しています。
イタリアではみんな遅刻してくるから遅刻が当たり前、おしゃべりは仕事中であっても人生の楽しみの一つ、「分業?なにそれおいしいの?」と一から十まで自分でやる職人気質。
ところ変われば、価値観や考え方も変わるということをドストレートに教えてくれる本です。
この本を読んであなたの価値観もアップデートしてみませんか?
今回はこの本の中でも、私の印象に残ったところを三つ紹介します!
外国の人と時間の約束をして、予定していた時間よりも大きく遅れてきたなんてことはないでしょうか?
しかも、彼らは悪びれることもなく「おはよう!今日もいい天気だな!」なんて言ってやってきます。
日本人的な感覚からすると、
「遅れてるんだから、もっと申し訳なさそうに来て謝れよ!」
と思うかもしれません。
しかし、その考えはイタリアに行ったらナンセンスなようです。
彼らの中の時間の約束は努力目標のようなものであって、
「私はその時間に向けて努力はしますが時間通りに行けるかはわかりません。」
という暗黙のメッセージを受け取らなければいけないようです。
イタリアの人たちはそれが、当たり前なので自分も遅れていくか、相手が遅れても怒ったりしないようです。
むしろ、その状況を楽しんでしまうのがイタリア人!
待ち合わせの相手が来なければ近くの人とおしゃべりをしたり、食事会などでとっくに予定していた時間を過ぎていても、その場が楽しければ永遠と会食を楽しんだりするそうです。
日本人の私たちからするときっちり決まっていないことに、イライラしてしまいそうですが、そこがイタリア人から学ぶべき人生を楽しむコツなのかもしれません。
みんなちょっとくらいルーズだって楽しければいいじゃないか!!!
そんな精神をもっていてもいいかもしれません。(※日本でやったら怒られると思います)
まあ、そんなイタリア人だからこそ脱税や治安の悪さなどイタリアにはたくさんの課題があるそうですが...
相手にも自分にも寛容になる考え方
イタリアの「スパゲッティ・ハウス」という映画でこんなシーンがあるそうです。
強盗によって人質に取られた人が何日間にもおよぶ立てこもりで、ついに水や食料が切れてしまった。残っているのは乾燥パスタのみ。空腹に耐えかねた人質のひとりが、乾燥パスタをボリボリと食べ始める。食べるものがない今、乾燥していてもこのパスタを食べるしかないとみんなが思っていたとき、食べた人が叫んだ、
「美味しい!!なんで今まで生で食べようと思わなかったのだろう!」
他の人質が思わず、「茹でて食べたかほうがおいしいからだよ!」と突っ込みを入れるそうですが、
こんな危機的状況にもかかわらず、物事をポジティブに考え、小さな幸せを見つけようとしているところがイタリア人のすごいところだなと本を読んでいて思いました。
理想が高く、結局は人生を楽しめず、不満ばかりたまってしまうよりは、小さなことに満足して、少しでも人生を楽しむようにしたほうが幸せに生きられることもあるかもしれませんね。
そんなことを教えてくれるエピソードでした!
小さなことに幸せを見つける考え方
日本で教育を受けていると、目標を決めて、その目標に向かってスモールステップの計画を立てて、目標に向かって最短で、最速でたどり着くことがよいと習いますよね。(そうじゃないところもあるかもしれませんが。)
しかし、目標にたどり着く過程が大切で、その過程で寄り道することこそが人生を豊かにする手段であるという考えがイタリアにはあるそうです。
いわば、目標は北極星と同じで、目指すべきところはそこにあるのだけれど、行き方やかける時間などは自由に決めていいというわけです。
日本では、旅行先を決めたらその目的地に向かって、まっすぐに進んでいきますよね。途中で、サービスエリアによることはあるかもしれませんが、わざわざ高速道路を降りて寄り道をしていくなんてことは少ないのではないでしょうか。
イタリアでは、寄り道は当たり前で、近くにおいしそうなレストランがあったら入ってみるし、そこで出た素敵なワインのワイナリーが近くにあると聞いたら寄って行ってしまうそうです。
まあ、早く目的地について、ゆっくりしたいというのが私たち日本人の本音でしょうか(笑)
でも、目的地に着くのは、どんどん遅くなってしまいそうですが、イタリア人がするようなゆとりを持った旅もたまには楽しそうですね。
寄り道では、新しい発見があるかもしれませんよ!
ゴールにたどり着くことよりもその過程を大切にする考え方
この本を読むことで様々な価値観を学ぶことができます。
イタリア人の考え方を生活に取り入れられる貴重な一冊!!
読む価値は高いですね!
最後に本書の良さをまとめておきます!ぜひ読んでみてください。
- 日本とは違う価値観に気付ける
- 人生がちょっと楽しくなる
- イタリア人の考え方がよくわかる
それでは、次回の記事でお会いしましょう!
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